新たな望みを胸に!
愛称ノブさんは、昭和8年(当時5歳)に発生した昭和三陸地震の記憶と教訓が生きたと語る。東日本大震災の当日、大槌町大町(中心街)で一人暮らしだったノブさんは、貸していたお隣の床屋に避難するように声をかけ、そして皆で九死に一生を得た。子宝に恵まれなかった彼女は、70歳のときに主人を亡くした。彼女は一人で生きていく決意を新たにし、趣味としてちぎり絵をはじめた。北上市から来られる先生の教室に月1回参加しながら、15年間腕を磨いた。数多くの素晴らしい作品を生み出した。
仮設住宅で3回目の冬を迎え、最近特に気持ちが落ち込んでいると胸の内を明かす。狭い仮設住宅から災害公営住宅への移転を望んで、所有して土地を行政に売約した。そして災害公営住宅に申し込んだけど、2回とも抽選にもれてしまったと薄笑いを浮かべる。町長からは”残りものには福がある”と言われたと笑った。