ちょっと良い話 in 大槌
大槌町エールサポートセンターの利用者、佐々木テ ル(84歳)から2ヶ月前に日独交流150周年記念の粗品、ボールペンを頂き毎日愛用していると聞かされた。そしてテルさんは先月そのボールペンを持参 し、私に申し訳なさそうな顔で「このボールペンの替芯を東京で探してもらえませんか」その時、私は「はい。喜んで」と即座に請け負った。
大槌町から帰京し、都内の数カ所の文具店に預かったボールペンを持参し、替芯を探してもらったが、そのボールペンが国産品ではないとのことで、芯の長さが微妙に違い購入には至らなかった。
大 槌町に戻り、佐々木テルさんに替芯を見つけられなかったと報告すると、とても残念そうな表情で「色々とありがとうございました。と丁重にお礼の言葉を頂い た。私は思わず「テルさん、もう少しの間このボールペンを預からせてもらっていいですか」と尋ねると、「はい。良いですよ」との了解を得た。
私 は再び東京に戻って来てからも、あのボールペンの芯のことが気になりだした。ふと(そうだ、ドイツ大使館に問い合わせをしてみようと)と思いつき、イン ターネットで検索し、幸いにドイツ大使館の問い合わせメールアドレスを入手出来た。直に状況を書き留めてドイツ大使館広報部宛にメールを送信した。送信す る際は、返信を頂けるかどうか確信は持てなかった。
なんと翌日の夕方、一通のメールがドイツ大使館広報部から届いた。ご連絡ありがとうござ います。日独交流150周年のボールペンは手元にございませんが、同等のものでしたら お分けできます。ご愛用いただいておりますそのご高齢の方の住所をお教えください。大使館から1本お送りさせていただきます
私は早速佐々木 テルさんの住所をメールでドイツ大使館S氏にお知らせした。そして本日エールサポートセンターでテルさんに会う事が出来た。テルさんは満面笑顔で、郵送さ れた一本のボールペンとドイツ大使館広報部S氏からのお手紙を披露してくれた。テルさんのこぼれる笑顔だけで、後の言葉は何もいらないような気がした。
この紙面を介して、ドイツ大使館広報部S氏に感謝したい。